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Staff interview

#03

最強の講師陣との運命的な出会い。つないだのは“サプリの理念”

室長

池田 脩太郎

Shutaro Ikeda

池田 脩太郎
SECTION 01担当者プロフィールSECTION 02最強の講師陣との運命的な出会い。つないだのは“サプリの理念”SECTION 03オンライン学習に正解はない。データを活用し改善を繰り返すのみSECTION 04顧客の再定義。高校導入の肝は“先生”にありSECTION 05先生のパートナーとなり、生徒の未来を切り拓くお手伝いをSECTION 06学ぶ人が、もっと未来にワクワクできるように

01. 担当者プロフィール

担当者プロフィール

- お名前:池田 脩太郎 / Shutaro Ikeda
- 組織名:スクールプロダクトマネジメント部
- 入社時期:2009年 04月

02. 最強の講師陣との運命的な出会い。つないだのは“サプリの理念”

スタディサプリが立ち上がる最初の最初は、僕が社会人3年目の夏。進学事業本部(現まなび事業本部)で商品企画スタッフの1メンバーとして、どんな新しい企画をつくろうかと、当時の商品企画GMの文洋さんとブレストした小さな会議室。そこで文洋さんが思いついちゃったことがすべての出発点。そこからNew-RINGに起案しようとなり、実際にリサーチとマーケティングを繰り返し、結果グランプリをいただいた後は一気に立ち上げ。そうした構想から立ち上げのプロセスの中で、初期フェーズでは、動画コンテンツの開発責任者として携わっていました。

このビジネスモデルにおいてカスタマーを動かす肝は、高品質な授業であり、それをオンラインで本当に我々が提供できるのかどうかにかかっていました。競合である予備校のコンテンツは、生徒たちには一定の支持を得ている。一方で、1つの校舎の講師は全員がカリスマではない。そこに対抗していくにはどうするか。いつでもどこでも視聴できるインターネット環境に加え、こちらも世に言うカリスマ講師を主要教科で揃えること。これが絶対に外せない必要条件でした。

なので、まずは“カリスマ”を集めることに奔走。ただ、当時の僕は、塾・予備校に人脈があったわけではなく、片っ端から知人の知人の先生・講師へ電話をかけ、断られ続け、最後にかけた電話で、ある一人の予備校講師が静岡からわざわざ東京のまで来てくれることを承諾してくれました。それが後に、スタディサプリの一人目の講師となる、肘井先生でした。初めての1時間で意気投合。

「正直断るつもりで静岡からやってきましたが、生まれ育った環境に依存せず教育格差を解消するというサプリの理念に共感しました。」そう言い残して、東京を後にした彼からは、翌日、サプリに正式に加入することを承諾する旨のメールが届きました。その後、肘井先生の盟友である、数学の山内先生をご紹介いただき、後に神授業でスタディサプリの看板講師となる、関先生とも出会いました。そう、このときまだ受験サプリ(現スタディサプリ)は世の中にローンチする前でした。にもかかわらず、加入を意思決定した講師たちを突き動かしたのは、サプリの理念であり、それに共感した講師たちとの運命的とも言える数珠つなぎのような出会いにより、最強の講師陣の礎が築かれていったのです。

03. オンライン学習に正解はない。データを活用し改善を繰り返すのみ

それからはローンチに向けて、ヘッドハントしてきた講師陣と講義動画を1本ずつ地道に作り続ける日々が始まりました。撮影場所もないので、八丁堀にある、とある貸しビルの地下にスタジオをゼロからつくりました。撮影した動画をアップして、これで本当に勉強できるのかどうかカスタマーインタビュー、内容を講師陣にフィードバックして修正というのを繰り返して講義動画のクオリティを高めていきました。

ただし、カスタマーインタビューなどマーケティング活動から得られる情報には限界があり、動画のクオリティ担保は常に手探りでした。僕らが最後に信用していたのは、データです。当初から、動画の視聴率データを1秒単位で追って、改善を図っていきました。動画視聴率は、冒頭90パーセント以上始まり、最後は20〜30パーセントという推移を描くのですが、これが時系列で下がっていくわけじゃない。ポイントが急落する場面というのがあることわかりました。

たとえば冒頭。講師が「この授業の目的はー!」などと熱く語っていると、そこでもう離脱する。視聴している生徒は極めて合理的なので、早く自分で問いた問題の解答解説が見たいんです。読解問題を解くために先生が間をとって黒板から離れる、また離脱。動画ではとにかく無駄をなくしテンポよく授業を進めないといけない。どんなに講師が自信のあった動画に対しても、こういったデータを見ながら教え方の工夫を重ね、常にレーティングをとって5段階評価で4.5を切る動画はすべて撮り直す。テクノロジーで解決できることは解決しながら、動画を常に磨いていきました。

現在は、4万本と数も充分になり、クオリティには特にこだわりがあります。使ってもらえれば良さが必ず伝わります。どこにも負けない動画コンテンツに仕上がっていると自負しています。また、講師をアサインして動画をつくって回していくスキームは初期にできたので、これをQuipperVideoが各国で展開しているコンテンツ制作にも応用しています。インドネシア、フィリピン、メキシコでも現地のカリスマ講師を見つけてきて授業をしてもらって動画をつくり、改善を加えるというサイクルで、制作スキームを輸出する形で世界へ高クオリティな動画コンテンツを拡張しています。

04. 顧客の再定義。高校導入の肝は“先生”にあり

リリースから1年半ほど経って、オンラインでカスタマーを集めるためにCM広告を打ち始めたころ、学校での利用という新しい芽が出てきました。最初は岡山県の先生から、うちの補習で使いたいとの問い合わせをいただきました。そこから立て続けに何本もご連絡をいただいて、高校導入のニーズに着目しました。

リサーチフェーズを経て、半年後には高校営業組織を立ち上げていました。ただし、高校へ向けてどんな提供サービス・営業スタイルがフィットするのか。そこは結構ピボットの繰り返しでした。まずは、高校でもスタディサプリの講義動画を授業や補習利用してもらえればと思い、講義動画中心にご提案をしましたが、役割が先生の本来の仕事と重複してしまったり、そもそも校内でIT環境が整っている学校もあまり多くなく、それだけでは爆発的な伸びは見込めませんでした。

そこで、高校現場での顧客は生徒ではなく先生であると再定義し、その顧客である先生の課題を少しでも解決する方向の方が役に立てるのではないか。そう考えて、“到達度テスト”を開発しました。学校ではすでに外部模試の利用が盛んでしたが、いつの間にか前年踏襲の文化の中で、実施することが目的化していまい、結果を先生が活用できていないという課題。そこを解決するため、模試の本来の目的である学力向上につながる、そのようなテストを用意することにしたのです。

これまでの模試は分野別の出題でしたが、到達度テストはもっと細かく何が理解できていないかが特定できる仕様になっています。例えば、英文法が苦手というだけでなく、時制の中でもとくに現在進行形の理解ができていないという形で特定します 。そこを理解するために、スタディサプリの第何講を見て復習しましょうというレコメンデーションもできる。先生の手を煩わせることなく、生徒一人ひとりに個別最適化されたきめ細かい学び直しプランの提示までを先生ができるのです。テクノロジーを活かした、サプリオリジナルの苦手を把握するテストに加えて、学校のIT環境に依存しない、生徒が保有するスマホを利用した個別の学び直しを進める。そんなテスト中心に活用をご提案するスタイルに進化していきました。

顧客である先生の課題解決に向き合ったご提案は、その後マーケットのニーズを捉え、今ではスタディサプリの高校導入校は1,000校に迫る勢いで、高校営業組織自体も数百名人を超える規模で日本全国に拡大しています。

05. 先生のパートナーとなり、生徒の未来を切り拓くお手伝いを

日本の高校の先生は、世界一忙しい。そんな先生の負担を少しでも軽くして、先生が生徒に向き合う時間を創り出したいということも、切実に感じています。そこは主にスタディサプリ for Teachersで実現していきます。紙でやり取りしている宿題をオンラインにするというところが第一歩です。それだけでも先生の負担は減ります。職員室はいまだに紙であふれているので、それを1枚でも減らすことが、先生の負荷軽減に繋がると感じています。生徒に向き合う時間が仕事全体の1割だったのを4割、5割に上げるお手伝いができれば、うれしい限りです。

現状、for Teachersの利用高校は、全国で約2300校を超えます。これからもより多くの学校にご利用いただけるように提供価値を磨き続けています。

一方、スタディサプリの学習機能を利用していただく学校数を更に伸ばすのには、もう少し時間がかかるかもしれません。「生徒の希望進路実現のための学力向上に貢献できるのはスタディサプリだ」ということを、僕らがこれからどんどん証明していかないと、スピーディな導入拡大は見込めません。サプリの導入校に対して、for Teachersによるオンライン宿題配信のチャレンジを本格的に開始して、2年目になります。これから学力向上実績が出てきます。「サプリをやれば学力が伸びる」そんな学校の事例を数字で証明し、発信していくということをどんどん進めます。

ご案内を進める中で「先行事例」を気にされる先生方は多いです。「どこの高校がどんな使い方をしていて効果は出ているのか?」と。保護者からお子さんを預かっている先生の多くは、高校生の未来の可能性を広げるのも狭めるのも自分次第だという強い責任感のもと仕事をされています。極力失敗はしたくない。だからより良いツールに拘る。当然の思考ではないでしょうか。だからこそ、先生の心を突き動かすような情報をお伝えできないと、先生に動いていただくことはできないと思っています。

しかし、スタディサプリはそんな先生を支援し得る強力なツールだと信じていますし、先生のパートナーとなり、生徒の未来を切り拓くお手伝いができる、そんなサービス開発を今後もしていきたいと本気で思っています。先生の心を突き動かすような、これだったら使ってみたいという、プロダクト開発、営業としての課題設定と提案、エビデンス創りをこれからもしていかないといけません。

06. 学ぶ人が、もっと未来にワクワクできるように

僕は学校現場で、for Teachers・スタディサプリが当たり前のように使われる世界を実現したい。それはそんなに遠い未来じゃないと思っています。

学ぶ人がもっと未来にワクワクして、学びって楽しいんだという方向性が生まれるようなきっかけを創りたいです。将来の学びの姿を示すこともそうですし、小テストが1問解けるといった小さい成功体験をどんどん積み上げさせてあげるということも必要。オンライン教育だとそういうことをきめ細かくやりやすくなるので、僕らのサービスをもっともっと先生に生徒に活用していただけると、学びの世界も変わってくるはずだと信じています。

取材時期:2018年12月

記事中で紹介した事業(名称や内容含む)や人物及び肩書については取材当時のものであり、現時点で異なる可能性がございます。

スタディサプリの開発主体であったQuipper Japanは組織再編のため、2021年10月に株式会社リクルートに事業譲渡しています。

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