Staff interview
#51
進路事業の大規模な構造改革を推進。事業が一体となり、学校にも高校生にも更なる価値を届けるために
事業構造改革プロジェクトチーム
Business Structure Reform Project Team

01. 担当者プロフィール

担当者プロフィール
- お名前:土倉 遥夏 / Haruka Tsuchikura
- 組織名:進路プロダクトマネジメント部
- 入社時期:2019年 04月

担当者プロフィール
- お名前:屋冝 宣文 / Yoshifumi Yagi
- 組織名:まなび領域開発ディレクション部
- 入社時期:2014年 04月

担当者プロフィール
- お名前:竹澤 甲人 / Kabuto Takezawa
- 組織名:まなび進学情報プロダクトマネジメントU
- 入社時期:2018年 04月

担当者プロフィール
- お名前:大塚 崇夫 / Takao Otsuka
- 組織名:まなび進学情報マーケティング部
- 入社時期:2019年 04月
『スタディサプリ for SCHOOL』や『スタディサプリ進路』を展開する進路事業では、過去に例を見ない規模の構造改革を推進しています。このプロジェクトを担当しているのが「事業構造改革プロジェクトチーム」のみなさん。今回は、チームを代表して土倉遥夏さん、屋冝宣文さん、竹澤甲人さん、大塚崇夫さんの4名に、プロジェクトの背景やこれまでの道のりを聞きました。
02. 個別最適で進化してきたプロダクトのあり方を見直し、事業一体での総力戦へ
Q:まずはこれまでの経歴とプロジェクトでの役割を教えてください。
土倉:私はリクルートに2019年に新卒で入社しました。学生時代に情報誌の編集に携わった経験から、よりダイレクトにユーザーの反応が分かるWebの世界でものづくりがしてみたいと考え、多くのWebサービスを提供しているリクルートを志望。プロダクトデザイン職として1年目から一貫してまなび領域に携わっており、これまでは主に『スタディサプリ進路』を担当。構造改革プロジェクトでは、全体のプロダクトマネジャー(以下PdM)およびプロダクト設計のリードを担当しています。
屋冝:システム開発・保守のコンサルタントを5年半、海外青年協力隊の活動を2年経験した後、2014年にリクルートへ中途入社しました。当初はオフショア開発の組織で『ゼクシィnet』に関する開発を担当。その後3年目からは、開発ディレクション部でまなび領域の各種システム開発に携わっています。このプロジェクトでは、システム検討段階でのシステムサイドのPMや、実際の開発におけるプロジェクトリーダー(以下PL)を担当しています。
竹澤:個性豊かな人が多く、一人ひとりが自分の強みを発揮しながら活躍している環境に惹かれて2018年にリクルートへ新卒入社しました。最初の3年間は東北支社で営業を経験。その後、企画組織に異動し、営業企画・営業推進・カスタマーサクセス支援といった仕事に取り組んでいます。このプロジェクトでは、主にビジネス観点での商品設計の部分を担当しています。
大塚:私は土倉さんと同期入社。学生時代は自動車の自動運転の研究をしていたのですが、課題解決型の仕事がしたくてリクルートに入社しました。一貫してマ ーケティングの仕事をしており、主に『スタディサプリ進路』の集客戦略の策定や集客施策の実行などを担当してきました。このプロジェクトでも、構造改革後にどのような集客を行っていくかの検討を担うチームでリードを務めています。
Q:事業構造改革プロジェクトとはどのような取り組みなのでしょうか。
土倉:私たちが所属する進路事業では、卒業後の進路を考える高校生と大学・短期大学・専門学校のマッチングを支援しています。具体的には、クライアントである大学・短期大学・専門学校の情報を『スタディサプリ for SCHOOL』『スタディサプリ進路』といったプロダクトを通じてカスタマーである高校生に届け、一人ひとりにあった進路の選択肢を発見してもらう支援をしてきました。今回のプロジェクトは、従来はシーン最適でそれぞれ進化してきたプロダクトを一気通貫で見直していく取り組みです。
プロダクトは違えども本質的に向き合っているのは同じクライアントとカスタマー。一人の高校生が、学校の授業で『スタディサプリ for SCHOOL』を使い、学校外の生活で『スタディサプリ進路』で進学先を調べることもあるでしょう。だからこそ、プロダクト横断での体験価値を設計し、進路事業のプロダクトが一体となって価値を提供していけるような構造へと抜本的な見直しを図っています。

03. 影響範囲が広く検討事項は1万超。多様な立場の関係者といかに合意形成するか
Q:従来のあり方を変えていくプロジェクトとなると、賛否があったのではないですか。
土倉:クライアントやカスタマーのためにもやるべきという認識はみんなが持っていた印象で、総論としては賛同の意見が多かったです。とはいえ、非常に抽象度の高いお題のため、どのようなプロダクト価値を置くかと、それを実現する具体的な手法を決めなければなりません。
例えばプロダクト同士でデータを連携させようにも、細かな仕様の違いがあってそのままでは統合ができない。どのプロダクトの仕様に合わせるのか、全くゼロから作り直すのかといった検討項目を洗い出すと、プロジェクト全体では1万を超える項目が出てきて、その一つひとつで最適解を検討する必要がありました。
屋冝:事業の隅 々に影響が及ぶプロジェクトですから、漠然とした状態で走り出すと
システムや人が担っている業務に致命的な影響を与えかねないリスクもありました。だからこそ、「このプロジェクトは、誰のため/何のためなのか」といった議論を最初の段階で丁寧に積み上げていくことが欠かせませんでしたね。そのように大方針を定めて、優先順位や判断基準をつくり、部署や役割を超えてみんなで決め切るプロセスが必要でした。
Q:関係者が多く、影響範囲が大きいからこそ、合意形成や意思決定の難易度が非常に高いプロジェクトだったのですね。
大塚:部署を超えた合意形成を進めていくには、自分が従来担当してきたプロダクトや業務のことだけでなく、事業全体を幅広く理解しておく必要があります。私の場合はプロダクトを組み合わせた全体の集客設計を行う上で、これまで担当したことがない『スタディサプリ for SCHOOL』のプロダクト構造や効果のメカニズム、裏側で動いているシステムについても早期にキャッチアップしていく必要がありました。みんながそれぞれ自分の普段の持ち場から染み出して、事業全体を広い視野で捉えながら協働していくことが欠かせなかったと思います。
竹澤:規模が大きくなり関係者が増えるほど、プロジェクト全体が複雑になり、誰がいつ何をすれば良いのかが分かりにくくなりがち。だからこそ、具体的な検討が始まる際には一度全体を見渡して交通整理をし、担当者のアサインやスケジューリング、マイルストーンの設定を丁寧に進めていきました。
04. 「それは本当にクライアント/カスタマーのためになっているか」を問い続ける
Q:事業全体に影響が及ぶ大規模プロジェクトを進める上で、みなさんがこだわった点を教えてください。
屋冝:開発側のPdM・PLの立場としては、MUST/WANTの見極めにこだわりました。というのも、今回は関係者が非常に多く、様々な部署からシステムへの要望をいただくことが予想されたため、検討の基準をしっかり作っておかないとあっという間に開発要件が膨れ上がり、収集がつかなくなってしまう可能性があったからです。そこで私たちが決めたのは、今回は構造改革を実現するためのMUST要件に集中すること。関係各所それぞれに大事にしたいことがあるのは理解しつつも、すべてを叶えようとして今事業として本質的にやるべきMUSTがブレてはいけない。事業としてのMUSTは何なのか。その定義や優先順位のつけ方をプロジェクトのメンバーでしっかりと議論しながら進めていきました。
大塚:私たちのプロダクトは、クライアントである大学・短大・専門学校と、カスタマーである高校生の双方に価値をお返しして、初めて成立するものです。
だからこそ、「これはクライアントとカスタマーのどちらにも嬉しい状態になっているか」を常に想像しながら検討してきました。プロジェクトを通して、これまで以上に多くの人たちとクライアントやカスタマーの価値について議論を重ねたことは、改めてみんなで私たちが何を大事にしたいのかを目線 合わせする機会にもなったと思います。
竹澤:今回のように関係者が多いプロジェクトの場合、それぞれの立場から出てくる多様な意見をまとめながら最終的にどこに着地させるのか、その見極めが非常に難しい。営業のニーズも分かるし、集客の観点でやるべきこともあるし、システム開発上の制約もあるし……と、それらを整理して全員の納得解にしていくのは至難の業です。ただ、私たちがこだわったのは、大塚さんが言ってくれたようにクライアントやカスタマーのためになっているか。各部署のやりたいことは理解しつつも、「それって学校や高校生にとってどうなの?」と問い続けることで、プロジェクトとしての着地点を見出していきました。
土倉:今みなさんが話してくれたことに加えて、既存の制約にとらわれず発想することも、私たちが大事にしてきたポイントです。進路事業として過去に例をみない規模のプロジェクトということは、思い切って商品やプロダクトをあるべき状態に見直せるタイミングでもあります。従来のセオリーに固執せず、新たな視点・発想で事業やマーケットに向き合ってみたことは、私たちにとって大きなチャレンジだったと思います。

05. 圧倒的に高校生に選ばれるプロダクトへと、価値をアップデートしたい
Q:プロジェクトはまだ続きますが、ここまでの取り組みを通して手応えを感じている部分はありますか。
土倉:これまでの私の役割はPdMとしてのプロダクト設計がメインでしたが、今回は事業全体のバリューチェーンを広く見て最適な形を描くという役割。それによって自分の視野を大きく広げられたことが、今感じている手応えですね。また、雲をつかむような構想段階から、それを具体的にどう実現させていくか詳細を詰めていくまでを推進することで、アイデアを具現化するスキルも非常に鍛えられた気がします。
屋冝:これまではだいたい年単位のプロジェクトが多かったのですが、今回の大規模プロジェクトは、過去に積み上げてきた知見をフルに発揮させてもらえるフィールドだったのかなと思っています。とはいえ、私が担当するシステム開発はこれからが本番。リリースを無事に実現させることで、カスタマーやクライアントへの貢献の手応えを感じられたら嬉しいです。
竹澤:自分はこれまでの経験からプロジェクト全体が上手く機能するように交通整理をするのが得意でした。今回のような規模が大きく、複雑性の高いプロジェクトでも自分の得意分野を活かしながら一定の貢献ができたことがまずは嬉しいです。
大塚:これまでは関わりが少なかった部署の人たちとのコミュニケーションもすごく増えたんです。それぞれの立場の考えや思いを汲み取りながらみんなで同じゴールを目指していく志向はとても鍛えられたと思います。また、このプロジェクトでは事業が数年前から整えてきたデータを駆使しながら進められたのも手応えの一つ。この経験を活かしながら、普段のマーケティングの仕事にもデータ活用を更に進めていきたいです。
Q:最後に、みなさんが今後目指していること、実現したいことを教えてください。
大塚:進路マーケットは、実は特殊なマーケットの一つ。クライアントである学校の数が限られており、すでにほぼすべての学校と接点があります。そのため、市場を開拓するよりも、既存のクライアントへの価値をどれだけ増やせるかが勝負の事業。だからこそ、価値の磨き込みにひたむきになり、リクルートの他事業にも真似されるような先進的なナレッジを創出していくことが私の目標です。
竹澤:この事業には、教育業界に熱い思いを持って仕事に取り組んでいる仲間が大 勢いるんです。私はそうした仲間が自身の情熱に従ってひたむきに頑張れる状態が、結果的にマーケットをより良くするはずだと信じています。自分はこの組織の全員がご機嫌に楽しく働いて、成果が出る状態をつくっていきたいですね。特に、学校に直接訪問する営業がより自信を持って提案できる状態を目指して、今はこのプロジェクトを進めています。
屋冝:システム観点で言うと、今回のプロジェクトはあくまでも土台を整えている段階です。これはあくまでも出発点で、今後は高校生一人ひとりにあった進路を実現するための進化を、システムとしても目指していきたいです。
土倉:今回のプロジェクトチームは、私たち4人だけではなく各部署から集まった十数名のリードメンバーに加え、開発・営業組織の数百名と、関係各所の多大な協力があって進んでいるものです。だからこそ、これからも事業の総力戦でマーケットに向き合い、学校や高校生に圧倒的に選ばれるプロダクト・事業を志したい。
進学事業はカスタマーである高校生の数が限られている故、より価値の深化が求められますが、今回のプロジェクトによりシーン横断で統一したアプローチができる土台ができました。ここを発射台に次のステップとして、より高校生の3年間に伴走ができるプロダクト価値アップデートを思考していきます。
記事中で紹介した事業(名称や内容含む)や人物及び肩書については取材当時のものであり、現時点で異なる可能性がございます。