事例紹介
Quipper|Philippine
教育構造改革に取り組むフィリピンで、 複数都市の公立・私立学校が、 オンライン学習サービス「Quipper」を導入
2014年よりフィリピンで活動を始めた「Quipper」は、フィリピン政府の教省庁ともパートナーシップを締結。政府が2013年から取り組む初等中等教育体制の大改革においても、公立学校に導入されるなど、公教育にも幅広く役立てられています。
01. 現地での活動|生徒の学習環境、先生の教育指導環境を同時に効率化。約1年で100万人以上が利用するサービスに
「Quipper」は2014年よりフィリピンの小中高の生徒・先生向けにオンラインの学習・管理システムを製作し、学校に提供してきました。通常の教 育現場では授業は教科書ベース、生徒には宿題が紙で配布され先生が採点をおこなわれるところ、「Quipper」は授業や宿題に関するあらゆるプロセスをオンライン化。「Quipper」の活用は生徒にとっては学びの機会の拡大に、先生にとっては作業工数の劇的な削減になると、2015年末には生徒の利用者は100万人以上となり、また有名大学を含む複数の学校とパートナーシップを締結することができました。
ある調査では「QuipperVideo」を活用・未使用の生徒で比較したところ、前者のほうが成績が良く、また生徒のやる気・モチベーション・自己制御能力といった学習意欲の改善も見られるという喜ばしい結果も得られています。
02. 初等中等教育への導入背景|初等中等教育制度の転換を迎え、教育のデジタル化に大きく貢献
アジアで唯一、初等中等教育の10年制を採用していたフィリピンでは、2013年の「基礎教育改革法案」により他国同様の12年制への体制移 行を決定し、2016年に11年生(高校2年生相当)、2017年より12年生(高校3年生相当)を新設しました。大規模な教育構造の改革は、大学進学率や学力の向上が期待される一方で、地域や家庭環境による教育格差が広がる懸念も少なくありません。そこで政府は、幅広い学びの環境を生徒に提供するために公教育のデジタル化を推進。11・12年生の教材不足や生徒の学力向上、先生方の生産性向上をめざして電子教材を積極的に取り入れています。
各自治体がデジタル教材を比較検討するなか、「Quipper」の高い有益性が認められ、パラニャーケ市・ラスピニャス市・ナボタス市・カヴィティ市・マカティ市といったフィリピンマニラ首都圏の自治体が高校教材として次々と導入を決定。その後も導入する自治体は増え、今までに全土で約1300(2017年時点)もの公立学校で導入されています。
03. 学校・自治体での活用方法|学習機会の拡大・個別化で、教育格差の解消・学びの深化をサポート
Quipper」を導入した学校では、「QuipperVideo」を授業と自主学習に活用するスタイルが一般的です。たとえば授業ではコンテンツの動画授業をクラス全員で視聴して先生による補足解説や演習問題、生徒同士のディスカッションで多角的に理解を深め、そして放課後や補習授業で生徒各自が「QuipperVideo」を個別に用いて自身に合わせて学習を進めるといった利用法です。
他にも、生徒の学習状況の確認、課題の採点・進捗管理業務のオンライン化、学習 状況と学力の相関関係の把握。様々なコンテンツを有する「Quipper」のプラットフォームは、学校や教育委員会、自治体といった立場で異なる利用目的に応えることができ、各教育関係者に即した方法でもご活用いただいています。
これからも、学習・教育の可能性を広げる「Quipper」を通して、教育環境の大きな変化を遂げたフィリピンの生徒・先生・教育関係者の皆さまに、今後もより良い学習環境を提供してまいります。