学習者の皆さんへ
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『国語を学ぶ意味』知識から知恵への昇華、混沌の時代を生きるための教養
インターネット時代 の授業のあり方に関心を持っていたところ、ご縁がありスタディサプリの国語を担当するようになりました。国語という教科の面白さをなんとかして伝えたいという思いで授業をしてきました。「面白い」から興味を持って、その教科を「好き」になれば、必ず学力は身に付き、成績は向上します。
「あなたは無駄なことばかり知っているね。」子どもの頃、親から半ばあきれ気味によく言われたものです。たしかに親からすれば、国語や歴史にかたよった知識よりも、受験勉強をもっとするべきだと思ったのでしょう。
しかし私は、ただ自分の興味のあることを学びたい一心で「無駄知識」を貪欲に吸収し、知的好奇心の満足を得ていました。今になって思えば、「好きこそものの上手なれ」というように、やはり好きなことの学びが最も身に付くように思います。
国語や歴史の学びを人文科学といいますが、何のために勉強するのか、役に立つ勉強なのかという疑問を持っている人が多いと思います。皆さんが若い時期に学ぶべきことには、すぐに役立つことは少ないかも知れません。しかし、美しく咲きほこる桜の花を見て、「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」と口ずさめば、皆さんの感動は一際深まることもあるでしょう。
また、人生の岐路に立った時、文学や歴史上の人物の決断にヒントを得ることもあるでしょう。つまり、一見役に立たないと思われる知識は、後に生きていく上での知恵になり、皆さんの人生を豊かにする教養になるのです。知識は多く持っていても邪魔にはなりません。今は役に立つと思われることも、 いつまでも有益とは限りません。
スタディサプリでの学びには、それぞれの学習に必要な「受験知」だけではなく、人生を豊かにする知恵や教養があります。英数国理社、好きな教科をきっかけに、混沌の時代を生き抜くための、「まだここにない出会い」あればいいですね。